織田信長が今川義元を破った桶狭間の戦い(1560年)から450年を機に、地元団体の発案で始まった信長と義元の銅像制作が、大詰めを迎えている。手がけているのは、地元の彫刻家で日展会員、工藤潔さん(68)。時代考証にもこだわった大作は今月下旬に完成する見通しで、名古屋市緑区桶狭間の古戦場跡地の公園に据え付けられる。
郷土史跡のPRを続ける市民団体「桶狭間古戦場保存会」が08年10月、「地元で半永久的に残る作品を」と、工藤さんに像の制作を依頼した。工藤さんは合戦に挑む2人にふさわしい姿を探し求め、全国で肖像画や木像などを見て回った。さらに、甲冑(かっちゅう)の専門家に話を聞き、27歳の信長と42歳の義元のイメージを固めていき、昨年6月、制作に取りかかった。
間もなく完成する2体は、信長が長いヤリを構えて前へ踏み出そうとする立像。義元は「海道一の弓取り」の異名にふさわしく、長弓と軍扇を持ち、周囲を見下ろすような座像だ。岡崎市の石切り場から掘り出した重さ5〜6トンの岩の上に設置する。
信長のヤリと義元の弓の先端をたどると「∞」(無限大)を表し、地元の長い歴史をイメージしている。保存会の調査では、義元の銅像は全国にも例がないという。
装具の一つ一つにもこだわり、郷土史家らとの議論を重ねた工藤さん。「天下統一を目指す信長の気迫と、武人としても名高かった義元の高貴さを表せた」と話している。【山田一晶】
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